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退職金を年金で受け取ると損する3つの理由

退職金の受取方法を選ぶとき、「年金のほうが長く受け取れるから安心」と考える人は多いです。確かに企業年金として分割で受け取れば、毎月の収入が確保できるメリットはあります。しかし、税金と社会保険料を考慮すると、年金受取は一括受取と比べて大幅に損するケースがほとんどです。本記事では、その3つの理由を具体的な数字とともに解説します。

理由1:退職所得控除が使えない

退職金を一括で受け取ると「退職所得」として扱われ、退職所得控除という大きな非課税枠が適用されます。勤続30年なら1,500万円、35年なら1,850万円もの控除があります。さらに、控除後の金額の2分の1にしか課税されません。これは日本の税制において最も優遇された課税方式の一つです。

一方、年金受取を選ぶと「雑所得」として毎年の所得に加算されます。公的年金等控除は適用されますが、その控除額は退職所得控除と比べて大幅に小さいです。65歳以上でも公的年金等控除は最大で110万円程度。退職金を10年かけて年金で受け取った場合、毎年の課税対象額は退職所得控除のメリットを全く活かせません。

理由2:社会保険料が大幅に増える

年金受取の最大の落とし穴は、社会保険料への影響です。退職後に国民健康保険に加入する場合、保険料は前年の所得に基づいて計算されます。年金受取により毎年の所得が増えると、国民健康保険料と介護保険料が大幅に上がります。

例えば、退職金2,000万円を10年間の年金で受け取る場合、毎年約200万円の雑所得が発生します。この所得増により、国民健康保険料は年間15万円〜25万円程度増加するケースがあります。10年間で合計150万円〜250万円の社会保険料増は、決して無視できない金額です。一括受取の場合、退職所得は翌年の社会保険料の算定基礎に含まれないため、この問題は発生しません。

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理由3:運用益を考慮しても逆転しにくい

年金受取の支持者は「企業が運用してくれるから、分割で受け取ったほうが総額が増える」と主張します。確かに多くの企業年金は予定利率が設定されており、年金受取の総額は一括受取より大きくなります。しかし、税金と社会保険料の増加分を差し引くと、運用益のメリットは大幅に減少します。

現在の企業年金の予定利率は年1.5%〜2.5%程度が一般的です。仮に予定利率2%で退職金2,000万円を10年の年金で受け取った場合、総受取額は約2,200万円になります。しかし、税金と社会保険料の増加分を計算すると、一括受取で得られる手取り額を下回るケースがほとんどです。運用益が税・社会保険料の増加分を上回るのは、予定利率が3%以上の場合に限られます。

年金受取が得する例外的なケース

ただし、年金受取が有利になるケースもゼロではありません。以下の条件に該当する場合は年金受取を検討する価値があります。

  • 企業年金の予定利率が3%以上と高い場合
  • 退職金が退職所得控除を大きく超え、一括受取でも高額な課税が発生する場合
  • 退職後の所得が極めて少なく、公的年金等控除の範囲内で収まる場合
  • 資金管理に不安があり、計画的な取り崩しが難しい場合

一括受取と年金受取の手取り比較シミュレーション

退職金2,000万円・勤続30年のケースで比較してみましょう。一括受取の場合、退職所得控除1,500万円を差し引いた500万円の2分の1の250万円に課税されます。所得税・復興特別所得税・住民税合わせて約41万円の負担で、手取りは約1,959万円です。年金受取(10年・予定利率2%)の場合、総受取額は約2,200万円ですが、毎年の所得税・住民税で合計約110万円、社会保険料の増加分が約180万円、合計約290万円の追加負担が発生し、手取りは約1,910万円になります。

このケースでは一括受取のほうが約49万円多く手元に残ります。退職金額が大きいほど、また勤続年数が長いほど、一括受取の優位性は拡大します。

まとめ:「安心感」のために年金受取を選ぶのは危険

年金受取は心理的な安心感がありますが、経済的にはほとんどのケースで一括受取に劣ります。退職所得控除を活用できない、社会保険料が増える、運用益でも逆転しにくいという3つの理由から、特に退職金が控除額の範囲内に収まる人は一括受取が圧倒的に有利です。自分のケースではどちらが得なのか、まずはシミュレーターで確認してみることをおすすめします。

※本記事は一般的な税制に基づく情報提供を目的としており、税務アドバイスを提供するものではありません。個別の事情により税額は変動します。正確な税額の計算については、税理士等の専門家にご相談ください。

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