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退職所得控除の計算方法
勤続年数ごとの控除額一覧表

退職金を受け取るとき、「退職所得控除」によって税金が大幅に軽減されます。 この控除額は勤続年数によって決まり、長く勤めるほど控除額が大きくなります。

退職所得控除とは

退職所得控除とは、退職金(退職手当等)を受け取る際に、課税対象額から差し引くことができる控除額です。 退職金は長年の勤務に対する報酬であるため、通常の給与所得よりも優遇された税制が適用されます。

退職金にかかる税金が少ない理由は、主に3つあります。

  • 退職所得控除: 勤続年数に応じた大きな控除額
  • 1/2課税: 控除後の金額をさらに半分にして課税
  • 分離課税: 他の所得と合算されず、単独で税額計算

計算式

退職所得控除額は、勤続年数によって以下の計算式で求めます。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 × 勤続年数(最低80万円)
20年超800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

勤続年数に1年未満の端数がある場合は、切り上げて1年として計算します。 例えば、勤続23年6ヶ月の場合は24年として計算します。

退職所得の計算方法

退職金にかかる税金は、以下の手順で計算します。

  1. 退職所得控除額を計算する
  2. 退職金額から退職所得控除額を差し引く
  3. 差し引いた額を2分の1にする(= 退職所得)
  4. 退職所得に所得税率を掛けて税額を算出する

計算式: 退職所得 = (退職金額 − 退職所得控除額) × 1/2

計算例

例1: 勤続25年、退職金1,500万円

  1. 退職所得控除: 800万 + 70万 × 5年 = 1,150万円
  2. 退職所得: (1,500万 − 1,150万) × 1/2 = 175万円
  3. 所得税: 175万 × 5% = 8.75万円
  4. 住民税: 175万 × 10% = 17.5万円
  5. 税額合計: 約26万円

例2: 勤続35年、退職金2,500万円

  1. 退職所得控除: 800万 + 70万 × 15年 = 1,850万円
  2. 退職所得: (2,500万 − 1,850万) × 1/2 = 325万円
  3. 所得税: 325万 × 10% − 9.75万 = 22.75万円(復興特別所得税含め約23.2万円)
  4. 住民税: 325万 × 10% = 32.5万円
  5. 税額合計: 約56万円

例3: 勤続15年、退職金500万円

  1. 退職所得控除: 40万 × 15年 = 600万円
  2. 退職所得: (500万 − 600万) = マイナスのため 0円
  3. 税額合計: 0円(非課税)

勤続年数ごとの控除額一覧表

勤続年数1年から40年までの退職所得控除額を一覧にまとめました。

勤続年数退職所得控除額勤続年数退職所得控除額
180万円21870万円
280万円22940万円
3120万円231,010万円
4160万円241,080万円
5200万円251,150万円
6240万円261,220万円
7280万円271,290万円
8320万円281,360万円
9360万円291,430万円
10400万円301,500万円
11440万円311,570万円
12480万円321,640万円
13520万円331,710万円
14560万円341,780万円
15600万円351,850万円
16640万円361,920万円
17680万円371,990万円
18720万円382,060万円
19760万円392,130万円
20800万円402,200万円

退職所得控除に関する注意点

iDeCoや企業年金との関係

iDeCo(個人型確定拠出年金)や企業型確定拠出年金を一時金で受け取る場合も、 退職所得控除が適用されます。ただし、退職金とiDeCoを別々の年に受け取る場合、 控除額の重複調整が行われます。

2026年の税制改正により、iDeCoを先に受け取ってから退職金を受け取る場合の 調整期間が5年から10年に延長されました。 詳しくは 「10年ルールとは」 をご覧ください。

障害者になったことが退職の原因の場合

障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、上記の退職所得控除額に 100万円が加算されます。

短期退職手当等

勤続年数が5年以下の役員等以外の方が受け取る退職金のうち、 退職所得控除額を差し引いた残額が300万円を超える部分については、 1/2課税が適用されません。

あなたの退職金にかかる税金を計算する

退職所得控除の仕組みを理解したら、実際のあなたの条件でシミュレーションしてみましょう。 iDeCoとの最適な受取順序も含めて、手取り額を最大化する方法がわかります。


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